東京大学とのローカル5G に関する共同研究の実施について

2022-5-23

東芝インフラシステムズ株式会社

東京大学とのローカル5G に関する共同研究の実施について

-ローカル5G 分散型アンテナシステムを用いた電波遮蔽エリア対策技術の確立-


当社と、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 中尾研究室(以下 東京大学)は、ローカル5G の電波遮蔽エリアを解消する技術確立を目的とした共同研究を 2022 年 3 月 1 日に開始しました。研究期間は同年 8 月 31 日までです。
本共同研究では、東京大学のローカル5G 基地局と当社独自の分散型アンテナシステム 「DAS(Distributed Antenna System)」※1 を活用し、電波遮蔽エリアを解消する技術ノウ ハウや、DAS 利活用の有効性の検証を行います。
ローカル5G は、高速・大容量・低遅延・多接続という5G 無線の特徴に加え、特定のエリ ア・用途で事業者が独自に構築・運営できるという自営無線ならではの柔軟なエリア設計が実 現できる特徴があり、工場やプラント、ビル施設など様々な領域での活躍が期待されます。
しかし、実際の工場や屋内でのローカル5G エリア構築では、障害物などの電波遮蔽の影響 で通信対象と接続できない場合や、敷地外へ電波が漏れて隣接する無線局等に悪影響を与える 可能性があるといった課題があります。
今回、当社は、東京大学が研究開発したローカル5G 基地局と当社独自のローカル5G 用 DAS を接続します。4月20日に基地局と DAS と端末とを繋げた通信試験※2を実施し、DAS からの電波発射と端末との通信確立を確認しました。今後は、遮蔽物による不感エリアの解消 や、複数の DAS 子機を配置したカバーエリア内を移動する端末の通信安定性の確認を行いま す。また、電波遮蔽エリアの解消と敷地外への電波漏洩を少なくする効率的なエリアカバー技 術の確立を目指します。
当社は、3G(第 3 世代移動通信システム)世代より、ビルや地下などの電波が届きにくい 屋内環境、駅やスタジアムなどの屋外環境等で活用している DAS を多数製造・納入しており、 これまで蓄積した無線技術を活用してローカル5G 用の DAS を開発しました。
東京大学が研究開発したローカル5G 基地局と当社独自の DAS を組み合わせたシステム は、今年度に実施する官公庁道路施設のローカル5G システムの技術実証への参加が決定し ており、屋内外での安定した無線システムの構築技術の確立へ更なる技術向上を進めるととも に、日本国内のローカル5G の普及に貢献して参ります。

本実証事業の関係者と DAS 子機
(東京大学 中尾教授/左、当社の馬場技師長/右)

※1 DAS:基地局から届く電波を光ケーブルによって分配する事で通信できるエリア拡張のシステム。ローカル5G基 地局の無線信号を受け取る親機とアンテナを接続する子機、および親機子機間の信号を分配する中継器で構 成されます。子機相互で同期タイミングをあわせており、子機間の無線干渉が生じないため、無線エリア設計 を容易にします。
※2 通信試験:本試験は、当社と東京大学と株式会社 FLARE SYSTEMS が参画して、東京大学の構内試験環境で実施 しました。

東芝インフラシステムズ株式会社ローカル 5G ホームページ

https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/social/telecommunication/local5g.html

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