中尾 彰宏情報学環・学際情報学府教授
ポスト5G後半(2025年以降)では、(1)柔軟なネットワーク機能をソフトウェア活用で実現するソフトウェア化が進展 (2) 大手通信キャリアのエリア拡大だけではなく、自らの手で自営モバイルネットワークを構築する「情報通信の民主化」が進むと考えられます。つまり、次の通信世代に向けて、ソフトウェア化による必要機能のカスタマイズ、民主化がもたらすボトムアップの進化が競争力の源流をつくると考えています。
そこで、本研究開発では柔軟なインフラを構築するための素地を誰でも使えるオープンソースを協調領域として利活用しながら、付加機能や競争領域(以降、付加領域)を研究開発し、国内企業の競争力を高める「戦略あるオープンソース利活用」を立案します。ベンダ・オペレータ・アカデミアの共創による協調領域の5Gコアの機能強化、そして、各社が取り組むマネジメント強化やシステムソリューションの開発などの付加領域に加え、次の通信世代に向けた「低消費電力」「アプリ毎スライシング」「MEC統合」等のチャレンジングな研究開発が可能な素地を構築します。さらに、情報通信の民主化で乱立する可能性があるLocal5G等の自営網に対して、複数の自営網を同時にシームレスに繋げて利活用可能とする(複数同時)ローミング機能の実装にも先行着手します。
なお、本件は、経産省とNEDOの「ポスト 5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究」に関わる公募に対して採択されたものです
共同実施者
- APRESIA Systems 株式会社
- 富士通株式会社
- 株式会社インターネットイニシアティブ